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龍にちなんだ四條畷市の民話「さかれた龍」の物語を、四條畷市PR大使の谷口智則さん(絵本作家)に新たに絵に描いていただき、その語りを四條畷市名誉大使の角淳一さん(フリーアナウンサー)が担当!四條畷ならではの動画絵本が完成しました。
角淳一さん×谷口智則さんコラボ★民話「さかれた龍」動画絵本のページはこちら
制作を終えたお二人に、今回の企画が実現に至った裏話や、動画絵本や民話への思いを聞きました。
▲令和6年9月3日、府立四條畷高等学校の放送室をお借りし、角さんの語りを収録。
※「角」は、中心の縦棒が一番下の横棒を突き抜ける(フォントの都合上「角」と表記しています)
Q. 谷口さん、ご自身が描かれた絵のお話を、角さんが語るのを聞いていかがでしたか?
谷口さん:10年前に偶然、角さんを龍尾寺にお連れしたことがあって、それが今日につながると思っていなかったので、今日の日が嬉しいですね。やっぱり民話とか昔話って、おじいちゃんから孫世代へとつなげていくものだと思うので、お子さんに届けるのに角さんの声がぴったりやなって。
角さん:収録したのを聞いてみたら、年寄り声やね(笑)
谷口さん:いやいや!それがまたいい味になっていて。積み重ねてこられた経験というか・・・この動画で次の世代にお話を伝えられたらいいなと思いますね。
Q. 10年前、お二人が龍尾寺に行ったのがこの企画の始まりだったんですか?
角さん:谷口くんとのご縁は、四條畷市観光大使になってからかな。実はご近所にいたけど知らなかったからね。
谷口さん:私のお店に来てもらって、ちょうど紅葉の時期やったんで「角さん、こういうところがありますよ。行きましょう」って言って歩いて行ったんです。だいぶ遠かったですね。それが今日に結実したというところです。
▲お二人は、ともに四條畷市観光大使を務めたほか「府立四條畷高等学校の卒業生」という共通点も。写真は角さんの語りを収録した帰りに校舎の前で。
角さん:民話「権現滝(さかれた龍)」のことは、谷口くんに龍尾寺を案内してもらって、初めて詳しく聞きました。龍尾寺も、そのときに初めて知って。四條畷にそんな話があるんだということを聞いて、驚きましたね。南北朝時代の話とか、四條畷の戦いとか、そんなんは聞いたことあるけど、このような民話みたいな話は知らなかったんです。
僕は、生まれてから幼稚園を卒園するまでは四條畷市で暮らしていたんですが、その後、四條畷高校を卒業する17歳ぐらいまでは大東市で育って。それからまた四條畷市に戻って、という感じだったので、一番の思春期、学校で習うような地元のことは習っていないんです。そして、社会人になったら放送局へ勤めて、家と職場の行き来だけで裏道なんかを通ることもなく・・・観光大使になってから、地域のことがよくわかるようになりましたね。
▲毎年11月下旬~12月初旬に紅葉の見ごろを迎える龍尾寺(写真は令和5年12月1日撮影の市のプロモーション動画より/制作 大阪電気通信大学)。
動画「四條畷を歩こう。龍尾寺編」(四條畷市のYouTube)はこちら<外部リンク>
Q. 今回のこの動画絵本を、市民の皆さんや子どもたちに、どんな風に見てもらいたいですか?
角さん:こういうお話はね、皆さんが小さいときに見たり聞いたりして、どこまで覚えているかわからないですけど、何かのときにふと思い出すと思うんですよね。そして、住んでいる場所への愛着というのは、職場が大阪市など外にあったら、なかなか若いときは感じないと思うんだけど、歳をとってちょっと落ち着いたときに、ふとよみがえってくると思うんです。
先日もテレビで、国宝・薬師寺東塔の解体修理の話を見たんですが、宮大工さんの中には、ずっとやってきた人じゃなくて、ちょっとヤンキーだったような人が突然、急にやりだすということもあって。急に目覚めて宮大工になろうと決心して、その仕事に尽力する。そういうもんですから、いつどこで、どうよみがえるかわからない。
民話がきっかけになって、土地に愛着を抱くこともあると思うんです。どこかで聞いたな、とか。童謡もそうです。ほとんど歌わないけど突然よみがえってきますよね。そういうものとして、民話があったらいいなと思います。なかったら寂しいですよね。
谷口さん:そういうお話、民話があるだけで、「この土地に住んでいたら、なんか守られている」というか、そういう気持ちにもなる。まちを大事にしようとか、自然の恵みを大切にしようとか。話を聞くだけでね。
角さん:谷口くんの、「絵にして記録をしていく」ということが大事でね、残さないとわからないですから。そういう努力、残すという仕事に携わっているのがいいと思いますよ。
谷口さん:人づてに聞いてきたことを、今、残していく。残していかないといけないという気持ちになるんでしょうね。「この話は、孫や子どもに伝えていかなきゃ」という感じで。
角さん:そういう役割を誰かがやらないといけない。だから、今回の動画は本当にいいですよ。
▲動画絵本のタイトルの絵は、令和6年9月29日「龍尾寺アートイベント」で制作。市内外から来た参加者に民話を紙芝居で紹介した後に、ライブペインティングを行った。