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受付日:令和5年4月21日
府内の28市5町が都市再生整備計画を活用、うち高槻市、枚方市が2022年に、東大阪市、泉大津市が2023年2月に、災害危険地域を居住誘導地域とする立地適正化計画を、「防災指針を定めること」との条件を充たして策定しています。
そして、大阪府は、防災のため、人口密集地域でも立地適正化計画の策定が求められるとしており、国交省が定める立地適正化計画策定の手引は、土砂災害警戒区域でも、砂防堰堤があれば居住誘導地域とすることを検討できるとしています。
しかし、四條畷の防災を考える議員の会が、権現川の谷の出口近くに緊急避難場所の設置を設置することの検討を求めたところ、市の回答は、イエローゾーンは、ゾーンから退去避難すべき地域であるというものでした。
ところで、権現川周辺には、過去3年間、平均3回程度警戒警報が発せられていますが、その都度千人規模で避難したと聞いたことがありませんし、そんな避難場所もありません。
これほど現実と行政の見解が矛盾していていいのでしょうか。
また、市は、立地適正化計画がなくても2024年度まで都市再生整備計画制度を活用できるとする経過措置を利用しないというだけでなく、経過措置後も立地適正化計画を作らないと表明しています。
これは、全市に関わる問題です。
都市再生整備計画を策定すれば、ベーシックな補助として、社会資本整備総合交付金40%と、90%の公共事業債に対して20%の交付税措置があり、自治体負担は、49.2%です。
これは、拠点施設・道路・下水道・公園にも適用されます。
さらに立地適正化計画を策定すれば、交付金は40%から45%にかさ上げされます。
これに対して、都市再生整備計画を策定せず、公共施設等適正管理事業債によれば、公共施設等適正管理推進事業債90%内交付税措置50%、従って、当初必要資金は10%国庫負担は90%×50%=45%自治体負担55%です。
しかも集約化と延べ床面積の削減という条件の下でしか使えず、敷地が狭いところに集約化すれば、地下駐車場の延べ床面積分だけ使用床面積を減らさねばなりません。
また、施設の新設には使えないので、公共施設、道路・公園・下水道等の長寿命化では、公共施設等適正管理推進事業債90%内交付税措40%、従って、当初必要資金は10%国庫負担は90%×40%=36%自治体負担は64%となり、都市再生整備計画を策定した地域との差は一層広がります。
こんな損をして財政危機に陥らない程、四條畷市は豊かなのでしょうか。
問題は、学校統廃合の際に、砂防堰堤があってもその効果は無視すべきだとの態度を市がとっただけではなく、砂防堰堤がある地域は防災指針を策定すれば居住誘導地域にできることが明確にされても、従来の見解を変えていないことです。
これは、市域全体が、公共施設の再編だけでなく、道路・下水道の長寿命化改修でも、不利な扱いを受け、新設は単費による外はないことになることを意味します。
一体、163号線以南を、公共施設配置先から締め出したうえ、全市の公共財の保全整備に係る市の負担を増やすのは、何のためですか。
理解しがたいので、お教えください。
なお、市庁舎は、6階建てにして、現庁舎の北側に建てるのが、前面に空地を採れること、国道に面していることから、望ましいと思えるのですが、総合センターに移転するメリットは何でしょうか。
この度は、市長への意見箱に意見をくださりありがとうございます。
いただきましたご意見について、回答いたします。
まず、ご質問の内容につきましては、本市が保有する公共施設の再編に関する今後の整備方針等を示した四條畷市個別施設計画【公共施設】(令和5年4月改訂版)(以下、「令和5年4月改訂版」という。)における今後の整備方針に関するご質問と認識して、次のとおり、お答え申し上げます。
1.国道163号以南地域における公共施設の配置ついて先般策定した令和5年4月改訂版では、国道163号以南地域に位置する四條畷南中学校跡地の今後の整備方針において、災害発生時に防災拠点機能、避難所機能を有し、平時には一定のコミュニティ機能を有する『多機能型体育館の整備』を位置付けしたほか、歴史民俗資料館及び市民活動センターの体育館機能は『現状配置で維持』、市民活動センターの多目的室機能は『くすのき小学校へ移転』と位置付けしていることから、国道163号以南地域においても公共施設機能を配置していく考えでございます。
2.再編整備に係る負担額の考え方について立地適正化計画は、長期を展望しつつ、20年先の持続的な都市をめざし、交通結節点である駅周辺に都市機能を誘導し、その周囲に住居を誘導することで、無秩序に拡散・拡大した市街化区域を抑制していこうとするものでございます。
本市における市街化の動向としましては、昭和60年以降、人口集中地区に大きな変動がないこと、また、地域特性として、市域の3分の2を山間部が占めております。
したがって、市街化区域の拡大・拡散を抑制していく立地適正化計画の主旨に近い都市構造が既に形成されていることから、ご提案の各種計画を策定する検討には至っておりません。
このことから、公共施設再編を進めていく上での地方財政措置等につきましては、本市の実情に沿った地方財政措置等を活用し、負担額の軽減を図ってまいります。
3.市庁舎を市民総合センター用地に移転することのメリットについて令和5年4月改訂版は、上位計画である四條畷市公共施設等総合管理計画に掲げる3つの基本方針『(1)世代間のコミュニティが繋がる魅力あるまちづくり』、『(2)災害に強い住みよいまちづくり』、『(3)次世代に負担を先送りしない自立的なまちづくり』を基軸とし、将来における人口減少や厳しい財政状況を踏まえて、施設の集約化・複合化による利便性の向上、床面積の削減による維持修繕費等の管理コストの縮減、にぎわい創出などの視点に立ち、公共施設の再編に取組んでおります。
したがいまして、公共施設全体を俯瞰して、全体最適の観点から、市庁舎機能を市民総合センター用地に配置していくことを基本とする方向性を位置付けたものであり、市庁舎用地における部分最適の観点から、検討を行ったものではございません。
以上、3つの質問に対して、上記のとおり、ご回答申し上げます。
どうぞご理解いただきますよう、お願い申し上げます。