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ヒスイ製大珠
(奈良文化財研究所撮影)
ヒスイは、澄んだみどり色が非常に美しい宝石です。縄文時代には、ヒスイで作る大珠(たいしゅ)という道具が、東日本を中心に重要なまつり道具として使われました。基本的には中央に孔があいていて、首飾りのようにして使われたものです。
このヒスイ製大珠は、近畿地方では6点しかみつかっていない貴重な道具で、大阪では四條畷市更良岡山遺跡だけです。更良岡山遺跡の大珠は斧のような形をしていて下半分が欠けており、残っている部分には孔があいていた痕跡はありません。長さ7.5cmあり、復元すると14cmほどあった可能性もある大型のものです。部分的に澄んだみどり色の部分を含むヒスイが使われています。
このような美しいヒスイは、新潟県の糸魚川市にある姫川などの流域付近で採れます。縄文人たちは、わざわざ新潟から大阪まで、貴重な宝石でできたまつり道具を運んでいたのです。徒歩と小さな丸木舟しか手段がないなかで、縄文人たちは現代のわたしたちが考えるよりずっと広い範囲で交流していたことがわかります。
歴史民俗資料館では、平成28年10月4日(火曜日)から12月18日(日曜日)まで、「ヒスイのきらめき―北河内からみた交流と縄文のまつり―」と題して特別展を開催します。特別展では、近畿地方でみつかった全6点のヒスイ製大珠をはじめ、縄文人の交流を示す資料や、まつりに関係する資料などを展示します。ぜひ皆さまも歴史民俗資料館へ、4000年前の美しいヒスイのアクセサリーをみにきませんか。
広報四條畷 平成28年9月号掲載