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歴史豊かなまち四條畷を生かしたコラボレーション!大学と市内団体のキーマンに最新の取組みを直撃しました(マーケ監ブログ#027)

 皆さん、こんにちは。四條畷市マーケティング監の西垣内渉です。

 皆さんにとって四條畷市の「まちのイメージ」と言えばどんなことが思いつきますか?平成26年に市が行った「第6次四條畷市総合計画策定のための市民意識調査」によれば「市の好きなところ・誇れるところ」で自然環境がよい(58.9%)交通の便利さ(25.2%)に続いて3番目に高かったのが、「まちに歴史や伝統が感じられる」(24.3%)という項目でした。どんな歴史や伝統があるか知らない人でも、市の名前から感じる響きやイメージによって、これに共感してくれる人がいるかもしれませんね。
総合計画

 本市で育った人は小学校や中学校で習う機会があるそうですが、四條畷市の歴史は2万年前の旧石器時代にさかのぼります。そして現在むろいけ園地<外部リンク>として親しまれている「室池」は奈良時代に氷室(貯氷庫)として使われていたという記録があるなど、市内のいろいろな場所で各時代をひも解くエピソードがあるのです。「まちに歴史や伝統が感じられる」というのはまさに本市にぴったりなキーワードと言えそうです。

 そんな本市が「四條畷」の名を冠する起源は、1348年の四條畷の戦いと言われています。南北朝時代にあたるこの年に、楠木正成の嫡男で南朝総大将の楠正行(くすのきまさつら)とその実弟正時が北朝室町幕府執事高師直・師泰兄弟・引付方頭人佐々木導誉と戦い、南朝は敗れたのですが、この地を守ろうとした楠正行は当地で英雄となり、本市のシンボルのひとつと言える四條畷神社は楠正行を主祭として明治23年(1890年)に創建されました。

 このことを今の市民や市外にお住まいの人に伝えようと積極的に活動されているのが、四條畷楠正行の会<外部リンク>です。この団体と大阪電気通信大学<外部リンク>(木子香准教授)は産学連携事業・社会プロジェクト実習授業で連携し、学生さんたちがさまざまな取組みをしてきました。今回、楠正行にまつわる、「私の正行・僕の正行」ポスターを学生がそれぞれ制作し、その公開イベント、ポスターセッションがあの四條畷神社で開催されたので行ってまいりました!
四條畷神社

楠正行

楠正行

 ポスターが30枚並べられた様子も壮観だったのに加え、学生さん全員が1分あまりの短い時間でどんな考えでポスターを制作したのかを発表するプレゼンテーションも披露されました。各自がどのように楠正行をとらえ、どう表現すればこの人物の素晴らしさが伝わるのかよく工夫したことがわかりました。

 今回のポスターセッションを実現するなど「時代を超えた」産学連携をコーディネートしているキーマンのお2人、四條畷楠正行の会・扇谷昭代表大阪電気通信大学の木子香准教授にお話をうかがいしました。
木子准教授

扇谷氏

マーケティング監(以下、マーケ監):
そもそも、楠正行は四條畷市民にとってどんな存在ですか?

扇谷代表:
四條畷の合戦において、23歳の若さで討死した武将という事を知っている市民にとっては郷土ゆかりの誇れる英雄的存在でしょう。

しかし、戦後教科書から楠親子の記事が消え、教育を受けなかったために正成・正行を知らない、また分からない市民にとっては、名前は読めない、四條畷神社に祀られていることも知らないで、聞いて初めて、『そんな素晴らしい武将が祀られているのですか。』『まさつらと読むのですか。』という事になっています。

マーケ監:
本市に長く住んでいる方にとってはおなじみでも、最近転入した方などは知る機会があまりないのかもしれませんね。木子先生、楠正行を実習の題材にしようと考えたのはなぜですか?

木子准教授:
今回、社会プロジェクト実習の題材にした理由は2点あります。

1つめは、学生に本学のホームタウンとも言える四條畷市の歴史について知ってほしいということです。

2つめは、楠正行が亡くなった時の年齢は23歳だと言われています。ちょうど現在の大学3年生と近い年です。昔の若者、そして現代の若者、時代は変わりますが、変わらないのは若者が持つべき志だと思います。楠正行のことを通して、現代の若者が考えてほしいと思います。

マーケ監:
最適な学びの題材が身近にあったということなのですね。今回が両者連携しての取組み第3弾とのことですが、これまではどんな取組みをされたのですか?

扇谷代表:
平成29年4月から、大阪電気通信大学の社会プロジェクト実習授業のクライアントとして四條畷楠正行の会の依頼を受けた木子香教室の学生さんが、講義や現地学習等を通して楠正行を学び、成果をまとめる産学連携事業を進めてきました。

初年度(平成29年)は、6分冊1巻本の絵本「楠正行」を制作していただき、市内図書館に寄贈し、市民の皆さんにお読みいただいています。平成30年度の2年目は、絵札・字札それぞれ45枚、箱、しおり、地図からなる「楠正行かるた」<外部リンク>を制作していただき、市内のすべての保育機関、教育機関などに寄贈するとともに、四條畷楠正行の会が商品化して一般に販売しています。市内の書店や正行ゆかりの寺社、例えば観心寺、如意輪寺、湊川神社、建水分神社等でも求めていただけます。

扇谷氏

マーケ監:
絵本、かるたときて今回ポスター制作と多様な展開をなされていますね。このたびポスター制作とした意図は何ですか?

扇谷代表:
絵本、カルタは主に屋内で読んでいただいたり、楽しんでいただいたりするツールですが、今回のポスターは、屋内に限らず、広く屋外でも掲示して、一人でも多くの方に四條畷ゆかりの楠正行を発信するために制作を依頼しました。

A1版という超大型のポスターが30枚並びますと圧巻です。四條畷神社境内で開催しましたポスターセッションでも、多くの方から、様々な反応を頂きました。

木子准教授:
扇谷代表がおっしゃる通り、ポスターを並べている時のスケールの大きさはねらいの一つです。

また、学生にポスター制作してもらうだけではなく、プレゼンもしてもらいますので、学生のコミュニケーション力を鍛えられるのではないかという大きなねらいもあります。

大阪電気通信大学

マーケ監:
おっしゃるように30枚のポスターがずらっと並んだ様子から、1つの大きな世界観を感じられた気がします。実際に取り組まれている学生さんたちの姿勢や反応はいかがですか?

木子准教授:
学生は最初、楠正行のことを全く知らなかったのですが、勉強や実習を通して、次第に楠正行に惹かれました。特に、「孝」について、また「渡辺橋の美談」<外部リンク>について、感銘を受けている学生は多いです。自分が作成したポスターについて、人の前でプレゼンすることはとてもいい経験になったと感じました。また、自分たちのプレゼンで多くの方々に楠正行のことを知ってもらえたことに達成感を感じました。

扇谷代表:
大阪電気通信大学の木子香教室の学生さんは、まじめな人ばかりです。中国からの留学生も含め、座学をしっかりと聞き、現地学習でも一人一人の視点からこだわりの質問や調査活動を行い、成果に結び付けています。

特に、四條畷市の積極的な後援もあり、学生のモチベーションも高くなり、3年間、ほぼ想定内の制作スケジュールで進捗しました。

マーケ監:
多くのことを得られる上にプロモーションにもなっている点で、関係者の誰もにとって実りのあるプロジェクトと言えますね。今後の展開、展望を教えてください。

扇谷代表:
今回の「私の正行・僕の正行」ポスターにつきましては、ゆかりの寺社から「持ってきてほしい」とのご要望を戴いており、可能な限りでゆかりの地でのポスター展の開催を企画しています。

令和2年度以降の取り組みについては現在未定ですが、内々に協力打診があり、今後、具体的なテーマや企画の打ち合わせに入ってまいります。その節は、産官学連携事業として、何卒ご支援・ご協力賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

木子准教授:
今後も四條畷市の歴史や街のさらなる活性化に微力ながら頑張っていきたいです。

マーケ監:
今年度のプロジェクトのさらなる進展と令和2年度以降の展開にも注目せずにはいられません!お答えいただき、ありがとうございました!
扇谷氏・木子准教授

 今回四條畷神社や湊川神社で開催されたポスターセッションですが、市民の皆さんに朗報です!来年(2020年、令和2年)3月2日から8日までの1週間、市民総合センター1階で楠正行ポスター展を開催されるということで、多くの市民の皆さんに実物をご覧いただきたいです。

 今回は本市のひとつの魅力である「歴史」を通じて、市内の大学と団体が実りある連携をして共に発信している姿が伝わればと思います。これからもさまざまな魅力や取組みについてお伝えしていきます!今回もお読みいただき、ありがとうございました。


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