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みなさん、こんにちは。四條畷市マーケティング監の西垣内渉です。
今回のテーマは「スマートシティ」です。この言葉、あなたはご存知でしょうか?
スマートシティとは、国土交通省をはじめ各省庁で進められている政策のひとつで、「都市の抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区」(スマートシティの実現に向けて【中間とりまとめ】<外部リンク>平成30年8月国土交通省都市局より)と定義されています。一例として、交通、自然との共生、省エネルギー、安全安心、資源循環がキーワードになっています。簡単にまとめれば、私たちの暮らしが、新技術によってますます便利になる未来をめざし、今からいろいろと取り組んでいこうとするものだと解釈できるでしょう。
今年(令和元年)の8月8日、6月に閣議決定された「統合イノベーション戦略2019」等に基づき、内閣府、総務省、経済産業省、国土交通省は、スマートシティの取組を官民連携で加速するため、「スマートシティ官民連携プラットフォーム」を設立、地方公共団体112の中に四條畷市も名を連ね、研究機関や民間企業と市役所が連携してチームを組んだ「『日本一前向き!』コンソーシアム」としても参加することになりました。
この取組みに参加するきっかけは、本市東部の田原地区で見られる課題が明らかになったことです。平成29年(2017年)に田原地域全世帯へ配布した「日々の暮らしのアンケート」によると、暮らしに欠かせない「交通・買い物・医療」への不満がいずれも6割を超えて高かったのです。
そしてこのいずれの課題も、新技術によって解決ができるのではと、スマートシティを推進する方向性が見出され、国の施策に早くから参加することになっています。
また、本市はここ最近、スマートシティを連想できるような全国初の取組みをいろいろと始めており、他の自治体などからも注目されています。マーケティング監ブログ第1回(全国初のLINEを活用した取組み)と前回(第15回、住民票のインターネット請求)でもご紹介していますので、ぜひお読みください!
さて今回は、このプロジェクトを進める旗振り役となって日々積極的に動くキーマン、笹田耕司(ささだこうじ)田原支所長兼参事(田原地域スマートシティ推進担当)をご紹介します。
マーケティング監(以下、マーケ監):
このたび四條畷市、とりわけ田原地域がスマートシティの推進パートナーになったわけですが、そもそも田原地域とはどんなところですか?
笹田支所長(以下、支所長):
四條畷市は、市の中央部の山間部を挟み東西2つに市街地があります。私が所管している田原地域は東部市街地になります。
田原地域は、田原台を中心とした区画が整備された住宅と、上田原・下田原の田園風景が残る地域です。
しかしながら、田原地域には、生鮮食品が購入できるスーパーや大きな医療機関がなく、西部市街地や隣接する生駒市に行かなければなりません。また、JRの駅へのアクセスにはコミュニティバスが必要になり、利便性の向上を望む声が多くあります。
マーケ監:
住みよい地域ながら、自家用車を持っているなど一定の条件がそのための要素になるということなのですね。全国で四條畷市を含め112団体が参画するこの「スマートシティ官民連携プラットフォーム」ですが、本市の推し進めるスマートシティの考え方や、本市ならではの特徴を教えてください。
支所長:
本市のまちづくりのスタンスは、地域主体のまちづくりと考えています。このことから、9月21日に市民が参画しやすいフォーラムを開催し、まずは、スマートシティに向けた取り組みをすることにより地域の方と議論をしていきたいです。
本市ならではの特徴は、まちづくりに地域が積極的な点です。例えば、田原地域では、地域の賑わい創出に向け、さまざまな活動を積極的に行ってもらっています。先日の8月24日には、旧暦にあわせた七夕まつりを開催され、地域に流れる天の川に関する自然環境保全や天体観測に関する講演や地域の方たちが屋台を出店されました。また、9月8日には、田原音楽祭にあわせ食器のリユース市や手作りマーケットが開催されます。
マーケ監:
私も、田原地域のイベントにはよく出向かせていただくのですが、市民の皆さんが自主的に工夫されているイメージを強く持っています。また、市長との意見交換会などの場では参加される方が「(田原台)○○丁目の○○です」と名乗ってから発言するなど、住む場所にある種の誇りを持たれている印象がありますね。
そんな市民の皆さんには、このスマートシティ推進政策においてどのようなことをお願いしたいですか?
支所長:
このフォーラムをとおして議論が交わされ、田原地域でスマートシティの実証実験が行われる際は、地域の方に積極的に参加してもらい成功事例を積み上げていきたいです。そのうえで、市内全体を今まで以上に便利で快適な生活ができる魅力あるまちになればと考えています。
マーケ監:
どんなスマートシティにしたいか、これには市民の方の意見や思いが不可欠ですね。この取組みの土台のひとつには、昨年度まで開催されていた「田原活性化対策本部会議」があると思います。この会議が始まる前と終わった後では、市民の方や地域にどんな変化が起こったと感じますか?
支所長:
平成29年11月から平成31年3月まで活動した田原活性化対策本部会議では、行政の考えや地域の方たちの考えを交え、議論を行ってきました。
一番変化があったのは、私たち田原支所の職員かも知れません。これまで、解決するのに時間を要すると思っていた課題などが、地域の方たちに相談することにより、円滑な課題解決をするようになりました。
マーケ監:
この会議体を通じて、市民と職員の距離がより近くなったという成果があったのですね。最後に、私見ではありますが、日ごろの仕事ぶりを見ていて笹田支所長は市長が掲げる「日本一前向きな市役所」をもっとも体現している職員の一人だと感じます。その「前向きさ」の源は何ですか?
支所長:
そのように言ってもらえればうれしいです!
「前向きさ」の源は、四條畷市役所の職場の風土だと思います。入庁した時に、多くの先輩職員に、どのようにすれば事業が前に進むのかや、市民のお困りごとに対しどのようにすれば現制度の中でお困りごとが解消されるのかを丁寧に教えてもらったことにあります。
マーケ監:
その先輩方のアドバイスを忘れることなく実践し、時には自ら動き、時には部下を鼓舞する、それが私がいつも感じる「前向きさ」なのかなと思いました。インタビューに答えていただき、ありがとうございました!
いかがでしたか?市役所本庁から北生駒山系を越えた東部には、こんなエネルギッシュな職員、これから新しい形の活性化を見せるポテンシャルがある地域があることを皆さんに知っていただければ幸いです。
インタビュー中に支所長が紹介していた、9月21日開催の「四條畷市スマートシティ推進フォーラム」では、「日本一前向き!」コンソーシアムに参画してくださる地域ボランティア団体、株式会社アカカベ、株式会社ウフル、NECソリューションイノベータ株式会社、関西電力株式会社、近鉄ケーブルネットワーク株式会社、国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学を中心とした皆さんが、展示や講演を通じて「スマートシティとは何か」や未来像などを感じていただけます。入場無料!市内外どなたでもご参加いただけますので、9月21日はぜひ田原へお越しください。小学生をはじめとしたお子さん向けの「スマートシティらしい」体験なども準備しています!今後も内容を更新していくホームページをぜひチェックしてください。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
※人口あたりの友だち登録者数が大阪府内市町村公式の中で1位