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インターンブログ#041「インフラは偉大なり~『日本一!?の事業』とは~」(山口真吾)

みなさんこんにちは、インターンシップ生の山口です。

先日、市役所を歩いていると、いきなり副市長に呼び止められました。

副市長「今から日本一の事業見に行くんだけど、来る?」

僕「(???)・・・はい。」

僕は、頭にはてなマークを浮かべながらも、「日本一」というワードに引っ張られ着の身着のままで車に飛び乗りました。

しばらくして着いた先は、清滝地区の道路工事現場。ここで「日本一!?」の事業、「四條畷市公共下水道事業」が行われていました。

この事業について話す前に、そもそも「下水道」とはなにか、みなさんはご存知でしょう

「下水道」とは「汚れた水を流す管」というイメージがあると思いますが、厳密には「雨水」と、家庭や各施設から流される「汚水」が流れる「下水管」、それらをきれいにして川や海に流す「下水処理場」などの設備を含めて「下水道」といいます。

実は「下水道」によってはじめて、

  1. 住居や施設などの水防止
  2. 便所の水洗化
  3. 衛生環境の改善
  4. 水質の保全

が実現され、私たちの生活は快適なものになっています。インフラと言えば、電気・ガス・水道あたりを思い浮かべるかもしれませんが、下水道も必要不可欠なインフラの1つと言えます。

四條畷市では2000年に下水道普及率が99%を超え、都市化が進みました。市の西部地区は東大阪市にある「鴻池水みらいセンター」で下水処理ができるように整備され(将来、一部区域の汚水を「なわて水みらいセンター」で処理)、東部の田原地区は「田原処理場」単独で下水処理ができるように整備されました。

インターンブログ#041「インフラは偉大なり~『日本一!?の事業』とは~」(山口真吾)の画像1

※四條畷市都市整備部下水道課の業務説明資料を一部改訂。

※赤枠は下水の「処理区域」を示しており、西部地区は「鴻池処理区」、東部地区は「田原処理区」となっています。

しかし、早く進んだ分、施設更新の時期も早くに訪れます。平成24年度には、田原処理場の老朽化にともない、田原地区の汚水処理をどうするのか、という議論が持ち上がりました。結果的に、田原処理場の機械・電気設備を更新するよりも、市内を東西に横断する国道163号を経由して田原地区とをつなぐ「圧送管*」を地下に敷設し、「なわて水みらいセンター」で下水処理ができるように工事を行ったほうが様々な面でメリットがあるということになり、今回僕が見た工事現場(圧送管の敷設)が出現していたわけです。

*下水管の流下方式の一種で、自然な勾配を利用した一般的な「自然勾配流下方式」に対し、ポンプ設備によって勾配関係なく敷設でき、その分土木工事の規模も小さくてすむというメリットがある。

この事業が「日本一」たるゆえんは何といってもその長さと標高差。全長約5.5km、高低差180mにも及ぶ「圧送管」の敷設は全国を見回してもあるかないかのレベルだそうで、そのタフさから、なんと平成24年度~平成33年度の10年間に及ぶ大事業になっています。しかも、大阪と奈良を結ぶ大事な国道163号の地下に敷設する工事も含まれていたため、国との調整なども大変だったとか。同様の工事が他の市町村で行われていないとは言い切れないため一応「日本一!?」とさせていただいているものの、市の一大プロジェクトであることは間違いありません。

僕も工事現場に入らせてもらって、その作業を見学させていただきました。

おじゃまします!

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副市長も視察!ヘルメット姿お似合いです!

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道路を掘り、「圧送管」を接続していきます。

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管が2本あるのは、万が一の事態があったときや、メンテナンス工事を行うときにどちらか最低1本は機能するようにするためだそうです。また、今回使用している「圧送管」は、最も耐震性の高いものを使用しており、地震が起こっても下水道機能が麻痺しないようにしているそうです。

「圧送管」を敷設したあとは、管の所在を知らせるテープを敷いて、もとの道路にもどします。

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道路を掘削し、管を敷設し、またもとの道路に戻す、という一連の作業は、1日何百メートルも進められるわけではなく、わずか数十メートルしか行えないそうです。

今回、なぜ僕がこの事業を発信したのか。それは「日本一」かもしれない事業が四條畷で行われているということをアピールするため、というのはもちろんですが、それ以上に、「インフラ」の重要性、そしてその背後にいる方々の努力や工夫を再認識したからです。

例えば、工事が終わり田原の人たちの下水が田原処理場ではなく、なわて水みらいセンターに送られるようになったとしても、とりたてて生活がよくなるとか、税金が安くなるとか、そんなことは起こりません。しかし、そもそもこの工事が行われず田原処理場が壊れてしまったり、下水道が無かったらどうなってしまうのでしょうか。冒頭に述べた浸水防止などの効果がすべて失われ、およそ快適とは言えない生活に陥ってしまうでしょう。

僕たちの世代は日々インターネットにお世話になっているので、ケーブルに置き換えてみるともっと大事さが身近に感じるかもしれません。動画サイトで動画を楽しめるのも、ネット通販サイトで買い物ができるのも、日本中、世界中に張り巡らされているケーブルのおかげだったりします。どこかの誰かが地面を掘ってケーブルを敷いてるからこそ快適な通信環境ができるんです。

確かにインフラは空気のような、あるのが当たり前の存在ではありますが、なくなると生きた心地がしないことは想像に難くありません。インフラ関係の工事で道路が一部封鎖されていて、不便を感じることがあるかもしれませんが、そこで働いている方々への敬意も忘れてはいけないな、と改めて感じました。

以上、「インフラは偉大なり~この事業、『日本一!?』~」でした!

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