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15.雁屋遺跡出土 組合せ式木棺・人骨 一括

【考古資料第14号】

昭和60年度に雁屋遺跡(かりやいせき)内における畷生会脳神経外科病院(現遊々館)建設工事に伴う埋蔵文化財発掘調査により、弥生時代中期(およそ2100年前)の方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)を4基検出し、21基の埋葬施設を確認しました。これらのうち、1号方形周溝墓からは7基の木棺、2号方形周溝墓からは13基の木棺を検出しました。そのうち特に保存状態が良好な木棺と人骨3点(成人用木棺・子供用木棺・40歳前後の男性人骨)です。

子ども用木棺の写真

1点目は、左の写真にある1号方形周溝墓6号主体部の組合せ式木棺で、内法の長さ73センチメートル・幅21センチメートル・深さ24センチメートルあり、棺内からは歯が出土しました。棺の法量から子ども用のものと考えられます。小口板は、2枚とも「T」字形に加工しており、それらをはめ込むために底板の両端部も「コ」の字形に切りとられていました。雁屋遺跡では唯一の例です。

雁屋遺跡出土人骨の写真

2点目は、右の写真にある2号方形周溝墓1号主体部の組合せ式木棺と人骨です。木棺の保存状態は他のものと比べると不良でしたが、人骨は良好な状態でした。人骨は、身長164センチメートルで、40歳前後の男性が伸展葬で左腕を胸のあたりで曲げた状態で埋葬されていました。

大人用木棺の写真

3点目は、左の写真に示している2号方形周溝墓3号主体部の組合せ式木棺です。内法の長さ155センチメートル・幅40センチメートル・深さ40センチメートルあり、棺内の西側から脛骨と東側から永久歯が出土しました。底板の両端部には、小口板を据え付けるための長方形の溝を彫り、側板の両端部は小口板を挟み込むために「L」字状に加工していました。また、蓋板側面の斜め部分は、丸太の白太部分でした。

これらのなかで保存状態の良かったコウヤマキ13点を元奈良文化財研究所の光谷拓実氏が年輪年代測定したところ、現時点での最も可能性の高いものとして、紀元前144年の伐採であることが判明しています。

これらは、検出した20基の木棺と18体の人骨のうち最も保存状態の良いものであり、日本考古学における弥生時代中期の埋葬方法を研究する上で貴重な資料です。

雁屋遺跡木棺出土位置の地図画像