本文
【考古資料第6号】
昭和62年度に忍ヶ丘駅西側広場前整備事業に伴う発掘調査において、古墳時代中期の須恵器壺(すえきつぼ)・土師器甕(はじきかめ)などとともに発見しました。
埴輪の名称については、犬形埴輪と子馬形埴輪の2種類の意見がありましたが、発見当時このような裸馬(鞍などの馬具を着けていない馬)の発見例が知られていなかったことや犬形埴輪が高槻市昼神車塚(ひるがみくるまづか)古墳や群馬県・千葉県・福島県の古墳などから約10例発見されていたことを総合的に判断して犬形埴輪として発表しました。しかし、奈良県荒蒔古墳(あらまきこふん)の発掘調査において裸馬が発見されたことから、再度検討した結果、発見当時に指摘されていた蹄の表現が南山下遺跡で発見した馬形埴輪と酷似している点などから子馬形埴輪と訂正しました。
古墳時代中期に朝鮮半島から運ばれてきた馬を飼育していた村の様子を考える上で貴重な資料のひとつです。