ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

9. 岡山南遺跡出土 木製下駄

【考古資料第9号】

昭和51年度に府道枚方・富田林・泉佐野線建設工事に伴う発掘調査において、S字状の大きな溝(長さ約35メートル・幅約2.5メートル・深さ約1.2メートル)から発見しました。同時に発見した土器などから古墳時代中期のものと考えています。
この下駄は一木造(いちぼくづくり・全体が1本の木から作られているもの)で、平面の形は隅丸長方形、裏面には前後に歯が2本削り出されています。前の鼻緒の孔は、中央よりやや右側にあけられていることから、現在の左右の区別が無い下駄(中央に前の鼻緒の孔がある)とは異なり、左足用として作られたものです。またその先の中指・薬指・小指があたる部分がすり減って窪んでいることや歯のすり減り具合から長期間にわたり大切に使われていたことがわかります。
弥生時代の田下駄(たげた・稲作農業に使用する下駄)を除けば、国内最古級のものとして貴重な資料のひとつです。

岡山南遺跡出土 木製下駄・写真と地図