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【彫刻第1号】
上田原にある正傳寺薬師堂の本尊の薬師如来立像です。一本の木を削って作ったもので、高さ2メートル以上ある堂々とした仏像です。
像に彫り出されている衣服の着せ方は、9世紀に多く見られるものです。しかし、衣服の彫られ方や、横から見た像の特徴からは、10世紀に作られた可能性もあります。いずれにしても、平安時代に作られた像と考えられます。
この像は通常の如来像と異なり右手を下げて左手を上げていて、両手首から先は後に作り直されたものです。この種の如来像でこれほど大きな像は珍しく、また四條畷市内最古の本格的な彫刻として大変貴重なものです。
なお、この像は明治時代に近くの森福寺(もりふくでら)が廃寺となったため、正傳寺へうつされたものです。