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3. 奈良井遺跡 その2

勾玉、ガラス製の小玉など、写真

今回も、平成23年3月に行った奈良井遺跡の発掘調査成果について触れたいと思います。調査したのは、市民総合センターの駐車場入り口の向かいの場所です。
ここでは、市民総合センターの建設のときの発掘調査で、溝で囲まれた一辺40メートルある馬の祭り場が見つかっていて、今回調査したのはその続きの部分に当たります。馬の祭りをしていた場所を囲う溝からは、祭りに使ううつわなどを含め多くのものが見つかりました。今回は、アクセサリー類と石でできたお祭り用具にスポットを当てたいと思います。
アクセサリーとしては、まず滑石(かっせき:一般に「ロウ石」と呼ばれている石)でできた勾玉(写真左上)があります。この勾玉は、穴が二つありますが、ひとつは貫通していません。これ以外に、滑石の臼玉(うすだま:ビーズ)も多く出土しています。直径は4ミリメートルから7ミリメートルほどととても小さく、普通に発掘していても見つけることはできません。こういった小さいものは、発掘したあとの土を持って帰り、水で洗いながらフルイにかけて探します。また、土製の玉も出土したほか、貴重なガラス製の小玉(ビーズ)も見つかりました。直径約3道メートルで、澄んだ水色をしています(写真下、左から三つ目)。
お祭り用具としては、滑石製の有孔円盤(ゆうこうえんばん)と紡錘車形石製品(ぼうすいしゃがたせきせいひん)があります。有孔円盤は、穴があけられ円盤形に加工してあるもので、銅鏡をイメージして作ったものといわれます(写真右上の2点)。紡錘車形石製品は、糸つむぎに使う紡錘車ですが、今回出土したものは表面に細かい紋様があり、お祭り用のものと考えています。

広報四條畷 平成23年6月号掲載