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今回は、これまで古い時代の話ばかりでしたので、もう少し新しい時代の話に触れたいと思います。
平成22年7月から10月にかけて、国道163号の新ルート建設工事に伴い発掘調査を行いました。
発掘した清滝街道(きよたきかいどう)は、大和(奈良県)と河内(大阪府)を結ぶ街道の一つで、それらのうち最も北側のルートにあたります。市内の蔀屋を起点とし、清滝川に沿って峠を越え、田原盆地を抜けて大和へと向かうルートになります。今回の調査地区は、清滝峠を大阪側からのぼりきって峠を越え、若干下り始めて田原盆地に入る入り口の地点にあたり、国道163号を大阪側からのぼり、清滝第一トンネルを通り抜けたすぐ南側の場所です。
街道は、道路部分の南側に側溝が掘ってありました。側溝は後世に広げられていて道路部分の幅はやや狭められていましたが、側溝と道路部分を合わせると幅が約250から300センチメートルで、古い文献に書いてある街道の幅と一致しました。
街道の側溝からは500年ほど前のお金が同じような位置でまとまって出土しましたが、どれも拳くらいの大きさの石のすぐ下から見つかりました。これらのことから、このお金は交通の安全を願って、神様などにささげられたものだと考えられます。いつの時代も、旅行中の安全を願う気持ちは一緒だったみたいですね。
広報四條畷 平成23年7月号掲載