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5. 雁屋遺跡 その2

出土した動物の骨、写真

今回は、雁屋遺跡について新しくわかったことをお話ししたいと思います。雁屋遺跡は、雁屋南町、雁屋北町、江瀬美町・美田町にあり、弥生時代(約2500から1750年前)のはじめから終わりまで続く、この地域の中心となるムラでした。この遺跡の一部を、民間の開発に伴って平成22年の10から12月に発掘調査しました。調査では建物の跡や、材木をためておく「プール」のようなものなどが見つかり、ムラの一番西端の状況を知ることができました。
この調査で出土していた動物の骨を専門家に鑑定してもらった結果、出土した骨の多くはイノシシやシカの骨でした。当時食料とした動物の骨が捨てられていたものと考えられます。面白いのは、クジラの骨が含まれていたことです(写真左上)。当時は現在の国道170号の付近までが海でしたので、そこで獲れたクジラを食料としたのでしょう。また、イヌの骨も含まれていることがわかりました(写真中央下)。これは生後3から4週の子犬の下アゴの骨でした。弥生人には犬を食べる風習がありますが、そのような子犬を食料にするとはあまり考えられないので、生まれてすぐに死んでしまった飼い犬の子どもなのかもしれません。

広報四條畷 平成23年8月号掲載