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20.北口遺跡

遺跡の様子

北口遺跡(きたぐちいせき)は、四條畷市岡山5丁目に所在する東西約250メートル、南北約350メートルの範囲に広がる遺跡で、古墳時代の集落跡として周知されています。
今回、その遺跡の範囲の中で共同住宅の建設が計画されたことから、開発工事で遺跡を破壊する部分についてその記録を保存するための発掘調査を昨年11月から12月まで実施しました。
今回はその発掘調査の成果のうち、現在継続中の整理作業から分かったことについて土器を中心に紹介します。

出土した土器

古墳時代の人々が使っていた土器は、大きく2種類あります。
一つは、土師器(はじき)と呼ばれる褐色の焼き物です。これは古墳時代以前の縄文土器や弥生土器と同じく素焼きで焼いたものです。
もう一つは、須恵器(すえき)と呼ばれる灰色の焼き物です。
これは、今から約1600年前の古墳時代中期に朝鮮半島から渡来した窯を使った製法で焼かれたものです。
調査では、古墳時代の人々が暮らしていた家の柱穴や溝など多くの遺構を確認しました。
その中でも、調査地区の中央部に密集していた土坑(どこう)(用途が特定できない穴)から古墳時代中期の人々が使っていた多くの遺物が出土しました。
それらを詳細に調べたところ、須恵器づくりの技術が渡来した初期の段階の壺・碗・坏(つき)・はそう(酒などの液体を注ぐもの)などが多いことが分かりました。
これらは、当時この場所では最新の器を使った人々が暮らしていた村が存在していたことを証明する貴重な資料です。
また、当時の装飾品を作るための緑色凝灰岩(ぎょうかいがん)の原石が出土しました。この石は市内では産出しないもので、大変貴重なものです。
原石が出土したことから、村のリーダーがつけていた首飾りの玉を作る工房が近くにあったことを証明する貴重な資料です。
歴史民俗資料館では、平成25年4月2日(火曜日)から4月29日(月曜日・祝日)まで今回ご紹介した土器などをスポット展示します。皆さんも歴史民俗資料館で、当時の焼き物などをご覧いただいて古墳時代の雰囲気を感じてみませんか?

広報四條畷 平成25年3月号掲載