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28. 中野遺跡 その4

調査中の平安時代の井戸写真

今回は、最近の発掘調査の成果について簡単にご紹介します。

平成26年2月から3月にかけて、中野本町で宅地造成に伴い中野遺跡(なかのいせき)の発掘調査を行いました。
この調査では平安時代(約1200から800年前)から中世(鎌倉時代から室町時代・約800から450年前)にかけての集落跡が見つかりました。
この調査の重要な成果のひとつとして平安時代の井戸が見つかったことがあげられます。
この井戸は二重構造になっていて、外側には四隅に柱を設置し、その間に横長の板を何枚も積み上げて一辺95センチメートルの四角形に組んだ枠があり、その中に直径56センチメートル、長さ110センチメートルの大きな丸太を二つに割って中をくり抜いた丸い枠が据えられています。
井戸枠を据えるために掘られた穴の直径は2.4メートル、深さは2メートルありました。
これまでに市内では何十基もの井戸を調査していますが、この時代のこれほど丁寧な作り方のものが見つかったのは初めてです。
井戸の底からは、底の部分に墨で字が書かれた土器が出土しています。
書かれた内容は不鮮明でまだ研究中ですが、井戸を使わなくなる時に、井戸の神様を鎮めるために使われた土器かもしれません。
歴史民俗資料館では、ここで紹介した調査で出土した資料の一部を平成26年7月13日(日曜日)まで展示しています。
皆さんも、歴史民俗資料館で、この井戸と出土した土器について考えてみませんか?

広報四條畷 平成26年6月号掲載