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市長:
お忙しい中、地域と市長の対話会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
はじめに、令和5年5月に新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけが5類に移行されました。この約3年の間、市民の皆さんには様々なご負担、ご協力をいただき、行政として至らない点も多々あったかと思いますが、温かいご協力をいただきましたことを、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
地域と市長の対話会は、平成29年度から毎年1回、多い時で年2回実施させていただいております。コロナ禍に開催を見送ったこともありましたが、今年で第6回となりました。第5回までに合計104回開催し、2,200人以上の方にご参加いただいております。
どうしても行政だけでは気づけていない点、あるいは至らない点、様々あろうかと思います。そのような点を市民の皆さまにご指摘いただいたり、またご意見をいただきながら少しでも市政をよくしていきたいという思いで、この対話会を開催させていただいております。そのため、私からの話は20分程度にとどめまして、なるべく多くの時間、皆さまからご意見などをいただく、対話形式にさせていただければと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
まず、財政のことについて、お話させていただきます。
簡単にお話しますが、四條畷市は約20年前、財政状況が非常に苦しい時期がありました。そこから市民の皆さんにもご協力いただきながら、様々な行財政改革を行い、少しずつ財政状況が上向き今を迎えています。
昨年度(令和4年度)の決算では黒字額が約6月3日億円となり、市政が始まって以来、最高額となりました。以前より堅実な財政運営ができる状態になったかと思います。
加えて、後ほど詳しくお話ししますが、市の中には市役所や総合センター、学校など多くの公共施設があり、それぞれが老朽化している課題を乗り越えなくてはならない中、施設などのハード面の整備は多額の費用が必要となるため、直近10年程度の間、公共施設整備基金という貯金を約29億円積み立ててきました。人口1人当たりで計算すると、北河内で最もこの基金を積み上げている市が四條畷市という状況です。まとめますと、着実に公共施設用の基金を積み立てながら、財政上も黒字になってきていることから、財政運営としては比較的堅調な状況にあります。
こうした中、我々としては未来への投資を進めようとしています。具体的には、これまではどちらかというと行財政改革として予算を削ることや支出を抑えるという考えでしたが、令和5年度からの5年間については、市民サービスを拡充し、もっと選んでいただける、住み続けたいと思っていただけるまちづくりに力を入れることにしています。
では、選んでいただける、住み続けていただくという観点から、人口の現況はどうなのかという話になります。残念なことに、四條畷市は平成29年までの間、10年以上連続転出者のほうが多いまちでした。要は、引っ越される人のほうが多いまちで、それが10年以上続いていました。
しかし、住宅の建築状況などの影響もありますが、平成30年から5年間で3回、転入者数のほうが多い状況になっており、主に若い世代の方で、20~30代の方が転入してくださっています。そうすることで、意外に思われるかもしれないですが、四條畷市全体で見ると実は、高齢化率が下がっているという状況にあります。現在、日本全体が高齢化しているということを聞くと思いますが、四條畷市の場合は生産年齢人口と呼ばれる15歳から64歳までの世代の方が増加傾向にあり、北河内で最も生産年齢人口割合が高く、高齢化率も北河内で最も低いという状況です。これからの5年間は、なるべくこの状況を維持しつつ、一方でしっかりと投資して、住みたいまち、住み続けたいまちとして選んでいただき、子どもから働き世代、高齢者にもサービスを拡充することで、また選んでもらえるという好循環につなげていく、そのような大事な時期であると考えております。
まちづくりの中で最もお金がかかるものが公共施設です。その大きな方向性が今年の春に決まりましたので、今日は皆さんにその概要をお伝えできたらと考えております。
四條畷市の形は大まかに言いますと、横に長く、右下に少し飛び出たブーメランのような形をしています。主要な交通網としては、国道163号が市を横断するようにあり、縦にはJRと外環状線がそれぞれ走っています。中央に山があって、右下に飛び出た部分が田原地域です。市役所はJR線の西側、国道163号の少し北に位置しています。現在決まっている市の大きな方向性は、箱物をそれぞれの場所で整備するとお金がかかるため、なるべく多くの施設を集めることで機能を集約させ、効率化することで公共施設にかける予算を抑えるということです。今後、市民総合センターの場所に市役所機能をはじめ、福祉コミュニティーセンターや教育文化センター、楠風荘など様々な施設を集約させていこうという計画になっています。
ただし、問題は総合センターの土地は限られていることです。今ですらイベントが重なると駐車場が満車になってしまうこともあり、本当にその場所にそれだけの施設を集約してよいのか、これから考えなくてはいけません。特に、総合センターの前の道は四條畷市の中では広いほうですが、それほど立派で広い道ではなく、大きなイベントの際は渋滞が起きてしまうので、今後、更なる調査をしなければなりません。
一方で、JRの東側、国道163号の南側の地域は旧東小エリアですが、東小学校と南中学校が廃校になっており、このエリアに耐震化工事を終えた避難施設がありません。そのため、南中学校跡地に避難所機能を備えた多機能型体育館の整備を進めます。
まとめますと、市役所機能を含め、様々な機能を総合センターの場所に集約するということが大きな方向性であり、まずは南中学校跡地に避難所機能を備えた多機能型体育館を整備します。この間に、南小学校の南側のくすの木園跡地の公園整備や市民活動センターの体育館など、今後残ることが確定している施設の整備を行いつつ、施設の集約を進めるという考えです。
ご質問等あれば後ほどいただきたいと思います。
それとは別に、本日皆さまにお伝えしておかなくてはならないことが2点あります。令和6年度から大きく2つの保険料の考え方が変わるので、ぜひ皆さんに知っていただきたいと思います。
まず一つは国民健康保険料です。該当されない方もいるとは思いますが、会社にお勤めではない74歳までの方は、基本的に国民健康保険に入っておられると思います。市では約1万人の方が加入されています。実は、数年前に国民健康保険料に関する法律が変わりました。これまでは、保険料は皆さまが使われている医療費から計算して市ごとに決めていましたが、6年度からは大阪府で統一することになりました。どのようなことが起きるかというと、大阪府内の市町村のどこに住んでいても、同じ世帯構成で同じ年収であれば同じ保険料になります。問題点としては、現在、四條畷市は大阪府内の市町村では保険料が安く抑えている側にいます。特に、直近数年間は新型コロナウイルス感染症などもありましたので、基金を使い1人1万円以上保険料を抑えておりましたが、令和6年度からはこのような市独自の対応ができなくなります。これまで市独自で保険料を抑えていたものが、大阪府で統一化されると料金が上がることになってしまいます。急に保険料が上がってしまうと大変なので、大阪府と交渉しつつ、そうならないような対応を取っておりますが、大きな方向性としては上がってしまいます。
国が法律を変えてまで、都道府県単位で同じ料金にしようとしている背景には、自治体の抱える課題があります。四條畷市は比較的よい状況にありますが、大阪府の43市町村の中には9つの町と1つの村があり、例えば小規模な町村のような小さい人口規模の自治体で高齢化が進み、お医者さんにかかる方の割合が増えると、自治体によっては非常に高額な保険料なってしまうことがあります。その場合、一つの自治体では耐えきれないため、安いところと高いところを1つのお財布にすることで平準化を図りお互いに助け合うという、都道府県内での助け合いの考え方です。私は四條畷市長なので、四條畷市民のことだけを考えた場合には単独で運営するほうがよいという考えになりますが、大変難しい問題です。法律が変わったので大阪府全体としてそういう方向性でいく、大阪府が統一化の先陣を切って行おうとしているもので、令和6年度からそれが始まるところです。
二点目の介護保険については、これまで四條畷市と守口市と門真市の3市で運営してきました。くすのき広域連合という名前で運営しておりましたが、これは20年以上前に介護保険が始まるときに、3市で運営することによる効率化をめざして始めました。一方で、3市で運営しているため、当たり前ですが、守口市、門真市、四條畷市の3市が合意しないと物事が決められません。四條畷市、守口市、門真市はそれぞれ地理的条件などが異なることから、5年経ち、10年経ち、15年経つ中で、四條畷市が考える独自の施策や、保険料の金額設定に、守口市、門真市が納得できないということや、逆に、守口市、門真市が必要と考えることに四條畷市が納得できないこともあり、徐々に意見がまとまらなくなりました。そのようなことを踏まえて、令和6年度から四條畷市単独で介護保険事業を行う決断を2年ほど前にしました。これが良い方向に働くのが保険料で、現在、守口市、門真市、四條畷市で運営しているくすのき広域連合の保険料は、残念ながら大阪府内で非常に上位にあり、正確に言うと、高さでトップ5の位置にあります。数年前まではトップ3だったくらい高めでした。今の試算でいくと、四條畷市単独になればサービスの内容は基本的に変わらず、保険料は抑えられ、かつ、四條畷市にとって必要なサービスを展開できるようになります。
そのため、令和6年度からの保険料2つについて、国民健康保険は統一化されて上がる方向で、介護保険は単独になることで少し抑えられる見込みです。これが同時に令和6年度に起こるという状況です。
今日おおむねお伝えしたいことは、財政のこと、人口のこと、箱物(公共施設)のこと、保険料のことで、ここまでで大体20分ぐらいたちました。残りの時間はご質問やご意見をいただきながら質疑応答という形で進めさせていただきたいと思います。