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手話コラム7「手話と方言」
手話と方言
「手話は世界共通なの?」
答えは「いいえ」。国や地域によって手話は違います。
言葉なので、それぞれの土地の文化や習慣と密接に結びついています。
たとえば、「食べる」の表現は日本の手話ではチョキの指でお箸を表しますが、
アメリカの手話では五指全部を使い食べ物をつまむように表します。
日本の手話のなかでも地域ごとの方言があります。
最近は会見などに手話通訳がつくようになり、各地の手話を目にする機会も増えたので、
「自分の知っている手話と違う」と感じる人がいるかもしれません。
ずいぶん昔には、全国からろう者が集まった時に、方言のせいで会議がなかなか進まなかったこともあったそうです。
やがて、全国でのろう者の交流が盛んになり、手話を学ぶ聞こえる人が増えてきたころ
各地の手話を集めて、標準手話としての整理・普及が取り組まれました。
今では手話に関する書籍やメディアの広がりにともない、
遠い地方同士の人でも、方言による大きな勘違いなどなく交流ができるようになりました。
また、日々うまれる新しい言葉や事象に対応して、新しい手話の提案もされています。
最近では「クラスター」や「オーバーシュート」などが発表されています。
昔から受け継がれている手話にも、見ただけで情景が浮かぶような魅力的な表現がたくさんあります。
ろう者や手話を学ぶ人たちとの交流の中で、そんな素敵な瞬間に出会うことがあります。
~四條畷市では平成31年4月から「四條畷市心をつなぐ手話言語条例」を施行しました~